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高知支部12月「出番ですよ」例会

公開日: : 高知支部例会

2014年最後の高知支部例会は、支部理念「出会いを大切にひとりひとりを活かす支部を目指します」の実践とする「出番ですよ」例会。今回は、昨年から今年にかけて(再)入会した3名の経営者の方々が報告されました。

  • と き 2014年12月9日(火) 18:30~20:30
  • ところ サウスブリーズホテル
  • 参加費 無料(懇親会は参加費別途)

いつも通り参加者全員で同友会理念の唱和を行った後、報告が始まりました。

高知の経営者3名の報告

株式会社メディア・エーシー 隅田 和稔 氏

トップバッターは株式会社メディア・エーシー代表取締役の隅田さん。

メディアエーシー隅田氏

メディア・エーシーはロゴマーク、ポスター、パンフレット、パッケージ制作、建物のサイン計画といったデザインを軸足に、テレビCM制作やイベントプロデュース、企業の広告・販促計画を行う会社。2003年度ACC賞全国CM部門ファイナリスト賞をはじめとする数々の賞も受賞されています。

起業から現在の業態に至るまで

隅田さんが40歳で起業した頃は広告代理店の力が非常に強く、独立を阻むような空気があった時期。4年半は媒体の代理権が得られなかったためにやむを得ずさまざまな仕事に手広くチャレンジしたこと、デザイン広告は「自社の売上のためではなく、顧客の利益のためにあるべき」という考えから、現在の業態に至ったと話されていました。

自社の分析と経営方針書

ある時、社員さんから「社長、ウチの会社 戦略ないですよね。」と言われたことが悔しく、SWOT分析などを徹底的に行ったそうで、その厚みのある内容をスライドで紹介してくださいました。また、「経営方針書」を第3期から毎年、社員全員と一緒に泊りがけで作成しているそうで、PDCAの重要な役割を果たしているとのことでした。

悩みは「人」に関すること

ある時期に3人連続でうまく社員さんが育たなかったことがあり、3人続けばそれは個人の問題ではなく育成の問題だろうと考えたそうです。その影響もあって現在社員さんの平均年齢が39.8歳と高くなっており、さらには優秀な中堅女子社員さんたちが結婚や産休で現場を離れることも増え、今とても厳しい状況だとか。20年やってきて「もう3年早く人を育てることに必死になるべきだった」という反省があるそうです。これからの課題は新人の育成、人の育て方の研究だとおっしゃっていました。

時流に負けないオンリーワン化

不景気や人口減少もあって、高知の購買力は落ちています。そしてその中でも大手が半分以上を独占したような形になっている今、ランチェスター的な差別化戦略で生き残って行かなければならないと。ひとりひとりが本当のエキスパートとなることが必要だと語っていらっしゃいました。

また、隅田さんもご自身のノウハウを高め、能力開発をせないかん!との思いから大学院に通い、59歳にしてマーケティング分野の博士号を取られたそうです。その知識や学びを社員さんたちにも落とし込んで、常に「いつまでも同じ仕事してていいの?」と問いかけながらオンリーワンを目指していく姿に例会参加者は非常に心を打たれました。

ホテル高知プラザ 村岡 誠也 氏

続いてホテル高知プラザ管理責任者 村岡さん。

ホテル高知プラザ村岡さん

管理責任者になった経緯

現在のホテル高知プラザは群馬県の不動産会社の経営となっているそうで、村岡さんはその社員さんという位置づけです。小・中・高校とも高知で、市役所に20年お勤めになったあと、引き抜かれたような形で現在の管理責任者に。ホテル高知プラザ以外にも全国数箇所のホテル管理責任者を任され、実際に稼働率アップなどの実績を上げられています。

低価格が最大のサービス

ホテル高知プラザのシングル1泊料金は2,980円。様々なお客様に宿泊環境を低価格で提供することが最大のサービスと定義し、その実現のためにチェックイン時間の限定、鍵の自己管理、限定されたアメニティ、連泊時の清掃省略などを行っています。

そのため、お客様に対して出来る・出来ない、有料・無料をはっきりさせることを徹底しているとのことですが、それでも「ビジネスホテルとはこうあるべき」という考えのもとサービスを期待しているお客様からは不評になることもあり、逆に最初からしっかり理解しているお客様には大変好評いただいているそうです。「評価はバラバラで当然です。無理に評価を上げようとする必要もないと考えています。」という明確な姿勢が印象的でした。

ご自身の役割と課題

村岡さんの管理責任者としてのお仕事は、価格設定・人材確保と育成・納入業者選択・プラン作成といったオープン前の総合的な準備、オープン後のスタッフ管理指導、経営管理など。

いつも難しいのは人材確保と人材育成で、ひとりのスタッフが全ての業務を理解し行動できるようになるのが非常に難しいと話されていました。メディア・エーシー隅田さんと同じく、悩みや課題は「人」でした。

今後はやはりスタッフ育成と継続、地域貢献として雇用を増やすこと、企業価値向上のためにプラスアルファを目指しているそうです。

トラスティ 山脇 文子 氏

最後は産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの山脇さん。

トラスティ山脇さん

起業のきっかけ

OLをしていた山脇さんですが、育休がなかったという理由から26歳でフリーランスのPCインストラクターとして独立。36歳で個人事業主開業届を出されたそうです。現在は高知職業能力開発協会のキャリア診断サービス(組織改革のための従業員満足度調査)、黒潮若者サポートステーション(引きこもり若者支援)を嘱託勤務で、そのほかに個人カウンセリング、企業出張カウンセリング、学生・求職者向けマナー研修などの事業をされています。

同友会入会のきっかけ

あるランチ女子会に参加したところ参加者の多くが同友会会員で、みんなが楽しそうに同友会のことを話すので興味を持ったそうです。それからオブザーバで何度か例会に参加したのち入会されました。

誰もが興味のあるキャリア診断サービス

この場合のキャリアとは、わかりやすく言うと自分自身・家庭・仕事の調和。企業のキャリア診断サービスは、従業員の働く意欲を高め企業の人材力を高めることを目的に、人材育成上の課題を把握し、従業員へのキャリアカウンセリングを行うそうです。そして経営者に診断内容を報告し、アドバイスをします。

例会参加者はみなさん経営者なので、この内容に興味津々。「ひどく落ち込んで立ち直れないような意見が社員さんから上がってくることはないですか?」の質問に「最初はショックを受ける場合もありますが、良くしようという思いで診断サービスを申し込まれるわけですから、少し時間を置くと落ち着かれるようです。そして前向きに改善に取り組まれます。私は答えは経営者の中にあると感じています。」との言葉が胸に響きました。

他に「何人もの悩みや話を聞くと体力的・精神的に疲れたり、辛くなりませんか?」という質問も出ましたが、山脇さんは「聴くこと」に疲れを感じることはなく、自分はこの仕事に向いていると感じているそうです。

出番ですよ例会の魅力

「出番ですよ」例会にはグループ討論がありませんが、報告者の方の歴史や思いといった「人」そのものを知ることができるのが魅力です。限られた時間の中でぎゅぎゅっと濃く素晴らしい報告をしてくださった3名のみなさま、本当にありがとうございました。

出番ですよ例会報告者3名

(広報委員・片岡)

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