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33歳無職。資格もなければ自信もなかった僕が、初めて営業に挑戦し、社長になるかもしれない話。

公開日: : 青年部会

2014年度最後の青年部例会は、まもなく青年部会長を終える我らが「アッコ」こと株式会社リーブルの取締役営業部長兼出版事業部長・坂本圭一朗氏。「33歳無職。資格もなければ自信もなかった僕が、初めて営業に挑戦し、社長になるかもしれない話。」と題して報告されました。

報告者・坂本圭一朗氏

  • と き 2015年3月31日(火) 18:30~21:00
  • ところ 高知市文化プラザかるぽーと9階 第3学習室
  • 参加費 無料(懇親会は参加費別途)

リーブルに入社するまで

早咲きの子ども時代~就職活動の失敗

1972年に熊本県天草市で生まれた坂本さんは、小・中学校とも生徒会長を務めるような優秀な子ども。野球や陸上といった部活動にも励み、自分自身でも「ちょっとやれば何でも人並み以上にできる人」と評価していたそうです。

しかしその慢心からか、大事なときにラクな方に流され、「ま、いいか。」と努力を怠るようになってしまったとか。関西の大学に進学後もいかにラクして単位を取るかが全てという感じで雀荘に通い詰めの日々。当時は先輩から「ウチへ来ないか」と連絡が来て就職が決まるのがお決まりのパターンで、「自分もそんな感じで大丈夫(就職が決まる)だろうとナメていた」と話されていました。

結局就職は決まらず、心のどこかでは逃げるように?弁護士になる!と法律の勉強を始めたものの、第1段階であるマークシートの試験も通過できずにプチ引きこもり状態に。このままではダメだと、まずは現場を体感してみようと、法律事務所職員として勤めることとなったものの、自分が思い描いていた世界とは全く違っていて現場の厳しさを痛感したそうです。本来は志す前に見ておくべきで、そこも甘かったとおっしゃっていました。

28歳で就職、33歳で無職

法律事務所を半年で辞めたあと28歳で個別指導塾の教室長として就職。翌年には結婚。しかし奥様のお母様が亡くなられて、坂本さんにとっては親戚も友達もいない高知へ引っ越すこととなりました。

高知では予備校の教員として職に就きましたが、元々目の前の人に合わせてしまって「正解を言わないと…」と考えてしまうタイプ。振り返れば友達からもその“間”のことを「衛星中継か!」と指摘されていたほどだったので、生徒を叱れない・失敗を恐れる・ごまかす…という状態に。生徒もだんだん自分に似てきて、それが怖くなって鬱気味になるという悪循環に陥ってしまったそうです。

坂本さんを厳しく叱って本気で指導してくれていた先生(予備校経営者)も、自分らしくいられなくなっている坂本さんを見かねて「辞めたほうがいい」と。陰では次の就職先も探してくれていたそうで、今でもお世話になっている恩人だとおっしゃっていました。

リーブルへ入社して

結局ハローワークで見つけたリーブルに入社。初めて営業の仕事をするなかで次のようなことを心がけられたそうです。

  • 「思ったことを素直に言う」「失敗してなんぼ!」など心がけノート。自分の悪いクセを知り、断ち切る努力。
  • 働く喜び、拾ってもらったリーブルへの感謝。
  • ただ売るのではなく、お客様のためを思う提案と行動が大事。それが本当の誠実さ。相手の真意を掴む。
  • 経営者と接する機会が増え「教えてください」と学ぶ姿勢。正直が第一。

アッコショーをやり始めて

坂本さんと言えば歌のうまさから懇親会で歌って欲しいと頼まれたのをきっかけに始まったアッコショー。「あの鐘を鳴らすのはあなた」など、本気の衣装&お化粧と抜群の歌唱力で臨むショーは大人気で、今やあちらこちらで引っ張りだこです。

アッコショー

そんなアッコショーを「営業の鑑やね」と言われることもあるけれど、純粋に盛り上げたいという気持ちでやっているとのこと。

「舞台に立つと自分のことを見透かされているような気持ちになるんです。ショーをやることで“ちゃんと生きよう”と強く思うようになりました。」という言葉がとても印象に残りました。

後継者候補として

入社1ヶ月目の「社長になります」宣言

リーブル新本社長の口グセは「君はどう思う?」。質問しても自分なりの結論を持っていないと教えてくれず、「ちゃんと育てようとしてくれている」と感じたそうです。

また、社内に「次は自分が社長になるぞ!」と思っている人がいないと感じた坂本さんは、拾ってもらって世話になっているからこそ自分が!と思ったとのことでした。

社内の変化

それまでは「リーブルと言えば新本社長、新本社長と言えばリーブル」といった会社だったけれど、そのことを社長がショックに思い危機感を感じていたそうです。坂本さんを含む3名の若手が同時に課長に昇進したとき、「自分らが何とかせないかんよね!」と奮起。同じ頃に同友会に入会して学んだことを持ち帰るようにもなり、みんなが積極的に経営に関わって本気で会社のことを考えられるように変わって行ったとのことでした。

また、会社の業務も官公庁型から民間型へ。電子入札で単価が下がるしんどさからというのもあるけれど、納期をきっちり守ることが最優先だったものがハイクオリティや高提案力へのシフトでもあったようです。

社長がもともと本が好きなのもあり、「本は世の中を変える力がある!」と印刷から出版へ。ハイビジョンのような特殊な印刷で独特の表現を実現した絵本「ひかるもの」が経済産業大臣賞を受賞されたほか、自費出版の編集から流通までをサポートする出版社として、全国からのネット受注の実績もどんどん広がっています。

絵本ひかるもの

第三者継承の難しさ

そんな中、社長の奥さんが倒れてしまい、1日のなかで社長が会社にいられる時間が少なくなり、自分から頼んで取締役になった坂本さん。それに伴う経営の責任、社員をどれだけ愛せるか、ずっとためされている気がするとおっしゃっていました。

今後の目標と課題

「出版と印刷の中間を行った先に何か新しいものがある気がする」と坂本さん。いい本とは何かを追求していき、どこにもない出版社になるのが目標だそうです。そして田舎の小さな印刷会社のモデルとして、全国で発表できるような企業を目指すとのことでした。

課題としては、利益体質になること、出版人としての人格・人間性の向上、世代交代と人材育成を挙げられていました。

報告の最後に

「20代は逆転ホームランを狙うような生き方・考え方だったと思う。そんな力はないと知ったとき、生きることも働くことも自分1人で出来ることではないと理解しました。そして『幸せの種まき』が自分の使命と感じています。」

坂本さんの素晴らしい報告に、みんなで感謝の拍手を送りました。

報告に拍手

グループ討論

報告を聞いた後、テーブルに分かれてグループ討論を行うのが同友会の方式です。この日は会員外の方も多く、約40名ほどの参加者で「自分をどう変えてきたか、これからどう変わっていくか」をテーマに熱い討論が繰り広げられました。

グループ討論

同友会ならではの場面

グループ討論や討論内容の発表でも、坂本さんの報告内容に共感したり、自分と重ねたうえで振り返る方が多かったように思います。また、当日は香川や広島から駆けつけてくださった方もいて、同友会に臨む姿勢や学び方について貴重なご意見もいただきました。そのように他県の方の考えを聞けて交流を深められるのも全国組織である中小企業家同友会ならでは。ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。

(広報委員・片岡)

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